中古のオーディオ機器は、10時間ほど鳴らすことで突然音質が向上する場合があります。この音質の改善現象を「エージング」と呼びます。
そんなオーディオ機器の音質が時間と共に変化する現象を指すエージングは、オーディオ愛好家にとっては重要な要素のひとつです。この興味深い用語について探究してみましょう。
スピーカーのエージングとは何?
スピーカーのエージングとは、スピーカーの音質が時間と使用によって変化し、向上する現象を指します。この現象は、スピーカーの鳴らし込みや使い込みによって引き起こされます。
また、エイジングと呼ばれることもありますが、意味はエージングと同じです。では、エージングがスピーカーに与える影響について説明しましょう。
スピーカーは、振動子、コイル、ダイアフラム、マグネット、エンクロージャーなど、さまざまな要素から構成されています。これらの要素は材料や設計によって特定の音質をもっており、初めから最適な音を発揮するわけではありません。
しかし、スピーカーを鳴らし続けることで、これらの要素が変化し、音質が向上します。一つの要因は、スピーカーの振動子やコイルが使用中に柔軟性を増し、より自然な音を再生する能力が向上することです。
振動子は初期には硬く、制約が多いため、音が過度にシャープで不自然に聞こえる場合があります。しかし、エージングによって振動子が柔軟になり、音がより滑らかで自然になります。
また、スピーカーの材料も時間とともに変化します。とくに、ダイアフラムやサスペンション材料は、湿度、温度、振動などの外部要因によって影響を受け、その結果、音質が変わります。
これにより、スピーカーはより自然な音を再生できます。さらに、エージングは磁場にも影響を与えます。
スピーカー内の磁石や磁気回路も時間とともに変化し、音質に影響を与えます。これにより、低音や高音の再生が改善され、全体的な音のバランスが向上します。このように、エージングは、スピーカーを初めて購入した際よりも、数十時間から数百時間の鳴らし込みが必要です。
スピーカーのエージング効果
スピーカーのエージング効果は、音質の向上に寄与する重要な要素の一つです。とくに、高音域での音割れを軽減する点で顕著な効果があります。
スピーカーの製造時には音域テストがおこなわれますが、通常、1Hz単位で音の微調整はおこなわれません。そのため、購入後に初めてスピーカーを使用する際、高音域において硬く不自然な音質を感じることがあります。
ですが、エージングにより、スピーカーの構成要素や材料が柔軟性を増し、高音域における音割れが軽減されます。このように、人間にとって心地よい音を作り出すためには、エージングが不可欠です。
エイジングをおこなうと、スピーカーの音量を上げても高音域が柔らかく、耳に不快な音がしにくくなります。
スピーカーのエージングのやり方
スピーカーのエージングのやり方は、音楽や音声を長時間鳴らしておくことです。長時間音源を流し続ける必要があるため、不快にならない音源がおすすめです。
また、エイジング専用の音源としてピンクノイズという音があります。YouTubeなどにも公開されているので、とくに聞きたい音楽がない場合などに便利です。ピンクノイズを再生するだけで、スピーカーのエージングをおこなえるのでおすすめです。
まとめ
スピーカーのエージングは、スピーカーの音質や性能を向上させるためのプロセスです。スピーカーは使用に伴い変化し、初期の状態から音の特性が変わります。
エージング効果は、スピーカーの部品や振動子が徐々に適応し、音質が向上する現象です。エージングをおこなうには、長時間音楽や音声を再生し、スピーカーを動かし続ける必要があります。
この際、不快にならない音源が好ましいです。ピンクノイズなどのエイジング専用の音源が利用可能で、YouTubeなどにも公開されています。スピーカーのエージングをおこなうことで、音のクリアさやバランスが向上し、より高品質な音楽体験を楽しめます。