カーステって何?もはや死語のオーディオ機器についてご紹介!

公開日:2023/04/15 最終更新日:2024/02/12

近年はスマートフォンがあればドライブ中に音楽を聴くことが可能ですが、ドライブ中に音楽を聴くのが難しい時代がありました。そのときに誕生したのがカーステです。カーステは、カセットテープから流れる音楽を楽しめるだけではなく、FMラジオを聴くこともできました。時代の流れとともに振り返っていきましょう。

カーステとは

まずは、「カーステ」とはどういうものを指すのか、解説します。

カーステとは

カー・ステレオの略ですが、近年の若者にはほとんど通用しない言葉となっています。カーステとはドライブには欠かせない存在として車に乗っている人を楽しませる存在でした。近年ではスマートフォンやカーナビが普及し、音楽やラジオ、道案内など、幅広く活用できるため、ほとんどの車でカーステを見ることは少なくなりました。

カーステはかつてドライブには欠かせないものだった

カーナビが普及する以前はカーステの熱気はすさまじく、高額な商品であればローンを組んで購入するほどでした。ここからは、カーステはどのような歴史をたどったのか解説します。

カーラジオの時代は意外と古い

1930年代にアメリカでカーラジオが誕生しました。日本では1948年にカーラジオを発売したのをきっかけに、多数のメーカーが参入して瞬く間に人気となりました。

カーステの誕生

1960年代に日本国産のカーステが誕生しました。その後に8トラも発売されました。当時のカセットテープは大きくて、車のダッシュボードに4本分くらいしか収納できませんでした。そのため、ドライブのときに同じ音楽を聴くことが多かったといわれています。さらにFMラジオも使用できるようになったことから、ドライブ中に音楽を楽しむことが日常となりました。

カセットテープの時代

1970年代に入ると、カセットテープの性能が向上しました。録音機能が備え付けられていたので、自分の声を入れたオリジナルテープを聴いてドライブを楽しむ若者が増加しました。

CDからメモリの時代

1982年にCDが登場しました。当初は家庭用のCDのみでしたが1980年代後半にはCDドライブつきのカーオーディオも登場し、ドライブでも気軽に楽しめるようになりました。

スマートフォンの時代

近年ではカーナビも登場するほか、スマートフォンで音楽を楽しめるようになっています。通信して音楽を聴くストリーミングもできるようになったことから、カーオーディオの人気は下降しつつあります。

時代とともに使用していた用語

ここからは、カーステとともによく使用していた用語を解説します。先述したカーステの歴史の中で登場した用語についても併せて紹介します。

カーステ

それまではラジオの時代でした。ラジオは広範囲に電波を届けられる反面、音質が悪いのが特徴です。カーステはラジオが使えるだけではなく、カセットテープも使用できました。また、テープの進化やCD登場も相まって音質が向上し、生活が一気に明るくなりました。

8トラ

8トラックを略した用語です。当時の車でカセットテープを聴けるのは貴重でした。ただし、2チャンネルステレオの音源を4プログラム(最大8曲)までしか入らないほか、一方向のみの回転で、巻き戻しができないというデメリットがありました。不便さはあったものの、音楽を聴ける喜びの方が大きかったようです。

ドンシャリ

低音がドンドン、高音がシャリシャリ聞こえてくることから、音の高揚感やインパクトを伝えるために擬音語を用いて表現しています。それまでは音質にこだわらない時代でしたが、カセットテープやCDが登場したことで、音質が向上しました。このため、音質にこだわる人が増加し、低音と高音の両方を楽しめるようになったことで、このような用語が誕生しました。

カーコンポ

こちらは「カーコンポーネントオーディオ」の略語であり、先述したカセット再生機やCD再生機能など、複数の再生機能を兼ね備えたオーディオです。当時ハイテクな装備であったことと、パートナーや家族から好印象を与えられるという理由で、当時は高額なカーコンポを購入するときにローンを組んでいました。

オーバーコンソールデッキ

上記のカーコンポの究極版ともいえるこの個体は、車のルームランプの場所にデッキが備え付けられていました。これは松下電器製の「COCK PIT」とよばれる製品である、飛行機の操縦パネルを彷彿とさせるような見た目が人気を呼び、話題となりました。

まとめ

カーステは近年ほとんど見られなくなりましたが、カーステが誕生したことにより、人々の生活が便利で明るくなったことは事実です。また、近年はスマートフォンがその役割を担っていますが、ドライブ中に音楽を楽しむ文化を根付かせたのはカーステのおかげだといえるでしょう。時代とともに衰退していくものはありますが、文化は受け継がれ歴史は残っていきます。

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